三菱地所株式会社
取締役社長
高木 茂 様
私は、貴社が開発した○○○○を購入した者です。素晴らしいマンションを開発していただき、ありがたく思っております。
しかし、貴社の担当者の顧客対応・情報公開の姿勢に対しては疑念を持たざるを得ません。顧客の不安に応えようとする姿勢が全くないのです。情報公開をして顧客満足を目指そうという姿勢が全くないのです。
そのため次のような批判をインターネット上でせざる得なくなっております。
【三菱地所の情報隠蔽体質批判1】
http://www.irev.org/shakai/mitubisi1.htm
【三菱地所の情報隠蔽体質批判2】
http://www.irev.org/shakai/mitubisi2.htm
【三菱地所の情報隠蔽体質批判3】
http://www.irev.org/shakai/mitubisi3.htm
この「批判3」で、情報公開について論じました。
情報公開は現代企業の責務でです。
しかし、残念ながら、三菱地所は次の三点をおこなっていないのです。
1 三菱地所による完成検査記録の提出
2 三菱地所の内覧会への立ち会い
3 施工図のコピーの提出
現在、この三点を、これ程かたくなに拒否している会社は三菱地所だけです。
ですから、このままでは「三菱地所は情報公開できない企業」という悪いイメージがついてしまいます。
先の文章で私は三菱地所を名医に喩えました。名医が情報公開を求められれば、不愉快になります。それは分かります。
しかし、名医である三菱地所こそ情報公開するべきです。情報公開は、現代企業に求められる義務なのです。社会的責任なのです。
私は、「業界のリーディングカンパニーとしての責任を果たしていただきたい」と申し上げているのです。このままでは、「三菱地所は情報公開できない企業」という悪いイメージがついてしまうのです。
高木茂社長はおっしゃいます。
「企業に求められる責任は近年高次化し、企業倫理やコンプライアンスに加え企 業市民としての社会貢献、環境リスク低減への努力など、多方面に渡るようになりました。当社グループではコンプライアンスにおいて最も大切なのは『意識の変革』と『経営トップの牽引力』であると捉え、『コンプライアンスは企業利益の基礎であり、コンプライアンスなしには企業の永続的発展はない』という意識を全社員に徹底しております。……〔略〕……良き企業市民として企業の社会的責任を果たしてまいります。」(三菱地所のホームページより)
これは誠に力強い宣言です。感心いたしました。
情報公開は、正に「良き企業市民として企業の社会的責任を果た」すことです。
ぜひ、「経営トップの牽引力」をご発揮いただき、情報公開をご実現くださるようお願いいたします。
高木茂社長のご英断に期待いたしております。
2004.12.10.
諸野脇 正
〔補1〕
緊急のご対応をお願いいたします。私は、11月14日が内覧会の予定日でした。しかし、12月10日の現在にいたるまで内覧会をおこなうことが出来ていません。内覧会が出来ない状態になっております。
まず、11月15日から12月3日まで担当者と全く連絡が取れない状態になっていました。広報部通じて三度に渡って担当者からの連絡を求めたのにも関わらずです。
この件については、統括責任者・倉田元氏が明確に謝罪しました。私は、それを評価しております。しかし、三週間近くもの時間が無駄になったことは事実です。
今現在は、情報公開を求めて内覧会を保留している形になっております。高木茂社長のご判断をいただかなくては、話が進まない形になってしまっているのです。
ぜひ、12月15日までに何らかのお返事をお願いいたします。
なお、この手紙はインターネット上で公開いたします。
〔補2〕
先の批判は一見些細なことに思えるかもしれません。しかし、既に事態は深刻です。有力検索エンジンのグーグルで「三菱 批判」を検索すると次のようになります。
http://www.google.co.jp/search?num=100&hl=ja&newwindow=1&q=%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%80%80%E6%89%B9%E5%88%A4&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=lang_ja
私の批判の文章が一番最初に出てきます。98900件中の一番なのです。つまり、三菱自動車のリコール隠しより、三菱地所の顧客対応の方が注目されているのです。三菱系の不祥事の中で、一番目立ってしまっているのです。
私は、批判を始める前に担当者に次のように忠告しています。
「あなたは、三菱地所株式会社、さらには三菱グループ全体の信用に関わる騒ぎに発展するかもしれない事項について決定する権限をもっているのですか。」
また、再三、三菱地所のホームページが私の批判の文章に取り囲まれてしまう可能性があることをお伝えしてあります。「三菱地所」という検索語でも、私の文章が上位に現れるようになってしまうのです。
これは、マンション販売の問題ではなく、危機管理の問題です。ですから、責任ある立場の方の意思決定を求めたのです。
これは、三菱地所全体の社会的イメージに関わる重要問題なのです。
しかし、実際にはさらに「顧客無視」の対応が続きました。
私には、このような顧客対応を高木茂社長がご存じだとはとても思えません。
どうぞ、状況をご理解いただき、担当者への適切なご指導をお願いいたします。
なお、〈役に立たない図面が送られてきた〉などの顧客対応の悪さについては、倉田氏から明確な謝罪をいただきました。私は、これを評価しております。
従って、残っている問題は、大筋で情報公開の問題だけになっております。
〔補3〕
上の三点を、これ程かたくなに拒んでいる会社は三菱地所だけです。他社は、何かしら柔軟な対応をしております。
例えば、三井不動産は次のような対応をしています。(全ての物件で同じ対応かは不明ですが。)
1 「完成検査記録」のコピーを「提出」はしないが、三井不動産が「完成検査記録」を見せながら丁寧に説明する。
2 売主である三井不動産が内覧会に立ち会う。(要求された場合)
3 青焼きを入居者全員に渡す。
現在では、三菱地所だけが、かたくななのです。
これでは三菱地所は情報隠蔽体質の会社と思われてしまいます。顧客満足を全く考えない会社だと思われてしまいます。
どう考えても、情報公開をしない体制を今後も維持し続けるのは不可能です。十年はもたないでしょう。
時代は変わってるのです。
〔補4〕
私は、三菱地所の物づくりの姿勢に対しての敬意を失ったことはありません。批判しているのは、あくまでも顧客対応・情報隠蔽体質です。マンションではありません。よい物をつくっているのに、この顧客対応では台なしになってしまいます。実際には、顧客にとっては、心の満足が一番重要であることも多いのです。
高木茂社長のご英断を期待しております。